1. コラム
2024.3.28

バックオフィス業務の課題は紙?紙を扱う業務を効率化する方法とメリットを解説

経理、人事、総務などのバックオフィスと呼ばれる部門では、紙をベースとした作業やアナログな業務が今も残っていませんか?また、紙を扱うバックオフィス業務を改善して、働き方改革やDXを推進したいと考えている方もいるのではないでしょうか。

この記事では、バックオフィス部門が抱える紙の課題を解消しバックオフィス業務を効率化する方法と、そのメリットをご紹介します。効率化に成功した企業の事例とおすすめのツールも紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

1. バックオフィス業務とその課題

1-1. バックオフィス業務とは

経理、人事、総務、営業事務などの、顧客と直接的に関わらない業務のことです。「後方支援」とも呼ばれ、企業活動を続けるために必要な手続きや、他部署のサポートを行います。
バックオフィス業務の例としては、以下のような部門・業務が挙げられます。

  • 経理:企業のお金とお金の流れを記録・管理する部門
  • 財務:予算管理や資金調達を行う部門
  • 人事:社員の採用や育成、人事異動などを担当する部門
  • 総務:会社の設備・備品の管理や社内規定の整備などを行う部門
  • 法務:契約書の作成・確認、コンプライアンス対応などを行う部門
  • 営業事務:請求書などの作成や受発注データの入力など、営業部門をサポートする部門

1-2. バックオフィス業務をとりまく課題

企業にとってなくてはならない存在のバックオフィス部門ですが、業務では以下のような課題を抱えています。

● アナログ業務が多い
バックオフィス部門では、紙媒体での処理や業務が多く、情報をデータで確認できないという問題があります。そのため、情報を探すのに時間がかかったり、現物を確認するために出社しなければいけないという課題が起きます。
また、紙の情報を手入力で電子データやシステムに転記しているケースもあり、データ入力にも時間がかかっています。転記ミスなどのヒューマンエラーも起きやすく、コスト(工数)面だけでなく正確性でも課題があります。
● 人的リソースが不足しやすい
バックオフィスを担当する部署は必要最小限の人数で対応しているところが多く、社員の急な休みなどで人手が不足したり、業務に影響を与えたりすることがあります。
また、業務の特性上、繁忙期と閑散期の差が激しいので、繁忙期にはいっそう人手不足に陥りがちです。
● 業務が属人化する
経理や法務などのように、専門的な知識やノウハウが必要な業務が多く、属人化も起こりやすくなります。特定の社員に業務が集中すると、残業などの負担がかかるという問題が起きてしまいます。

このような課題を抱えているバックオフィス部門や企業は多く、株式会社エイトレッド(https://www.atled.jp/wfl/)の「人手不足に悩むバックオフィス担当者に聞いた業務実態調査」によると、業務の中でも「データの入力・集計・照合」の負担が大きいという結果が出ています。

Q1.あなたが、お勤め先において、特に「負担が大きい」と感じている業務を教えてください。

出典:人手不足に悩むバックオフィス担当者に聞いた業務実態調査
(株式会社エイトレッド https://www.atled.jp/wfl/

バックオフィス業務を効率化するには、各業務に適したシステムの導入や、システム間の連携をよくするなどの方法があります。しかし、これらの方法には改善コストや人材の確保が必要です。以下の調査結果でも、業務のシステム化が進んでいない理由として、「導入・運用にコストがかかるから」、「取り掛かる時間がないから」、「IT人材がいないから」が多く回答されています。

Q6.お勤め先において、業務のシステム化が進んでいない理由を教えてください。

出典:人手不足に悩むバックオフィス担当者に聞いた業務実態調査
(株式会社エイトレッド https://www.atled.jp/wfl/

そのため、まずはアナログ業務、特に紙を扱う業務において、紙文書のデータ化(ペーパーレス化)や、OCR導入でのデータ入力作業の改善から始めることをおすすめします。

2. 紙を扱うバックオフィス業務を効率化する方法

紙を扱うバックオフィス業務を改善する方法として、「ペーパーレス化」と「データ入力作業の効率化」をご紹介します。

2-1. ペーパーレス化

ペーパーレス化とは、紙で運用している資料や帳票などをデータ化して活用・管理することです。紙文書をデータ化するには、スキャナーや複合機のスキャン機能が便利ですが、紙をスキャンする頻度が多い場合は、スキャン機能に特化した専用機を利用するとよいでしょう。自動給紙機構(ADF)を搭載した業務用スキャナーを使うと、効率よくペーパーレス化を進められます。

ペーパーレス化することで、必要な情報をPC上で探せるようになり、探す時間を短縮できます。また、データとして情報を一元管理すれば、情報の属人化を防ぎ、担当者が不在でも確認できるようになります。

ペーパーレス化の進め方については、以下をご確認ください。

2-2. データ入力作業の効率化

手作業によるデータ入力を改善するには、OCRの利用がおすすめです。OCRとは、紙をスキャンしてデータ化した画像やPDFから文字を抽出・認識し、テキストデータに変換する技術です。テキストデータをCSV形式として保存すれば、RPAと連携して業務システムなどへの入力を自動化することができます。

手作業で行っていた伝票入力やシステムへの転記を自動化でき、作業時間を削減できます。また、転記ミスなどを防ぐことができ、作業品質の向上にもつながります。

OCRを利用した伝票入力の詳細は、以下でご紹介しています。ぜひご覧ください。

3. 紙を扱うバックオフィス業務を効率化するメリット

ここからは、前述の方法で紙を扱うバックオフィス業務を効率化した場合のメリットをご説明します。

3-1. 柔軟な働き方の実現

ペーパーレス化によって時間や場所に縛られない働き方ができ、テレワークなどを取り入れやすくなります。「ワークライフバランス」の実現にもつながり、育児や介護との両立、あるいは趣味などに時間をあてることができます。その結果、従業員満足度も向上するでしょう。

3-2. コア業務への集中

OCRを活用して入力作業などを効率化できると、手作業による誤入力や見落としなどのヒューマンエラーを減らせます。入力精度が上がることで、作業のやり直しやチェック工数を削減できるので、コア業務に時間をあてられるようになります。

3-3. BCP(事業継続計画)対策

紙保管のみだと火災や震災が起きたときに紛失・焼失するリスクが高いです。ペーパーレス化により、データでの保管ができていればそのリスクを回避できます。また、災害発生後でも業務を継続でき、会社や職場に行けない状況でも作業ができます。日ごろからペーパーレス化を進めておけば、BCP(事業継続計画)対策にもなります。

4. 業務用スキャナーやOCRでバックオフィス業務を効率化した事例

バックオフィス業務で利用するスキャナーは、PFUの業務用スキャナー「fiシリーズ」がおすすめです。
「fiシリーズ」は、高い給紙性能を持ち、薄い帳票や折り目の付いた紙でも安定して連続でスキャンできます。ラインナップも豊富で、業務や設置場所に合わせて適切な製品を選択できます。さらに、標準添付されているソフトウェアで、スキャン後のデータ整理を効率化できる機能も利用できます。
経理/財務部門で「fiシリーズ」を導入し、業務の効率化に成功した事例をご紹介します。

事例1:サッポロビール株式会社 経理部

A4高速スキャナーを全国の営業拠点に配置。伝票の保管等にかかるコストおよび処理工数を削減。営業・経理ともにテレワークでの起票や承認が可能となり、働きやすさが向上。

事例2:伊藤忠商事株式会社

ネットワークスキャナー約100台を国内拠点7か所に配備。電帳法への対応を実現し、経費精算における紙保存文化からの脱却に成功。リモートでの承認も可能になり、書類保管の手間とコストの削減も実現。

また、バックオフィス業務で利用するOCRは、AI-OCRソフトウェア「DynaEye」がおすすめです。「DynaEye」は、AI-OCRの技術を利用し、認識が困難な手書き文字も高精度に認識できます。クラウドなどの外部ネットワークに接続せずに利用できるオンプレミス型なので、セキュリティ面でも安心です。
請求書のOCR処理に「DynaEye」を利用し、業務の効率化に成功した事例をご紹介します。

事例3:株式会社松村組

「fiシリーズ」で出来高請求書をスキャンし、「DynaEye」を組み込んだRPA処理で記載内容を「出来高査定システム」へ自動入力。工事事務所業務の大幅時短と本社業務の効率化に成功し、出来高払いのスムーズな処理が実現したほか、電帳法対応の文書管理も実現。

5. まとめ

バックオフィス部門の課題は多岐にわたりますが、「ペーパーレス化」と「データ入力作業の効率化」から始めるのがおすすめです。
バックオフィス業務の効率化については、以下の資料にて詳細な進め方と業務別におすすめのITツールをご紹介しています。ぜひご覧ください。

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