WebサービスのOCRとは?メリットやデメリットを分かりやすく解説

2020.4.8

Webブラウザなどを介して利用するOCRツールのことを、通称「クラウドOCR」と呼びます。使い勝手としては、PCにインストールするタイプのOCRソフトウェアとそこまで変わりません。しかし、それぞれには異なるメリット・デメリットがあります。

こちらでは、クラウドOCRの特徴や、従来のOCR(オンプレミス型OCR)との違いについて解説します。

クラウドOCRと従来のOCR(オンプレミス型OCR)との違い

両者の大きな違いはシステムをどこに設置するかです。

オンプレミス型のOCRは社内にシステムを置く仕組みです。自社サーバやスタッフそれぞれのPC、スキャン端末など。形式はさまざまですが、いずれも社内に置かれた機器にOCRのソフトウェアがインストールされます。

一方、クラウドOCRは、クラウドサービスのプロバイダが用意したサーバ上にシステムが置かれます。利用者はインターネットなどを介してそのシステムにアクセスしサービスを利用します。

近年人気のクラウドOCR

従来、OCRのほとんどはオンプレミスによって運用されていました。その理由は、仮想化や分散処理技術などが発展しきっていなかったことが挙げられます。近年になりこれらの問題が解決したこと、さらにネットワークの高速化&低価格化したことが手伝って、クラウドOCRの実用化が進みました。

クラウドOCRに限らず、クラウドを活用したサービスは2000年代以降、一気にその勢いを増しています。給与計算や経費精算、予算管理や会計といったバックオフィス系のツールも数多く登場しました。このように、現在はクラウドOCRが当たり前に利用される時代です。そして、その利便性も高く評価されています。

Webで利用できるOCRのメリット・デメリット

クラウドOCRの導入は、業務に多くメリットをもたらします。とくに大きいのは利便性です。一方、セキュリティや情報の取り扱いが難しい、というデメリットには注意が必要です。

最大のメリットは「いつでも、どこでも」

クラウドOCRのメリットは、時間と場所にとらわれない利便性です。インターネット環境さえ整っていれば、いつでもどこでも高性能なOCR処理が利用できます。

たとえば、営業先でお客様の申込み用紙を受け取り、申込み登録をその場で行う場合、申込み用紙を見ながら手入力作業を行うのは、やはり避けたいところでしょう。そこでクラウドOCRの出番です。

対象物や環境にもよりますが、ある程度鮮明に印刷された文字であればスマートフォンのカメラでも十分に利用可能です。複合機などでスキャンをする必要はありません。撮影したデータをクラウドOCRで処理すれば、その場でデータ化が完了できます。

価格メリット

クラウドOCRは、従量課金の価格構成が多い傾向にあります。これは、「OCRを何枚でいくら」といったように、使用頻度等によって料金が切り替わるサービスです。OCRを活用したいが、大量のスキャンはしないという場合、価格メリットが大きくなります。

一方、事業規模が大きく、大量のOCRが必要な場合はオンプレミスのほうが割安となるケースも少なくありません。自社の使用頻度を踏まえ、適切なものを選びましょう。

セキュリティが心配?

いわゆる「パブリッククラウド」と呼ばれる共有型のクラウドOCRは、インターネット上(クラウドサーバ上)にデータをアップロードするため、情報漏えいなどの不安を感じる方もいるでしょう。しかし、クラウドサービスの場合、ベンダーが不正アクセス防止や暗号化などの十分なセキュリティ対策が行われています。また、病院や自治体といった独立ネットワークでは、そもそも利用自体が難しいといえます。

クラウドOCRとオンプレミス型OCR、どちらが良い?

  • クラウドOCRがおすすめのシチュエーション

    • “いつでも、どこでも”、手軽にOCRを利用したい
    • テレワークや営業など、スタッフが社内にいないことが多い
    • 使用頻度は少ないが、安価にOCRを導入したい
  • オンプレミスがおすすめのシチュエーション

    • 大量のOCR処理が必要で、定型作業を効率化したい
    • 独立ネットワークなので、クラウドサービスが利用できない

なお、当社ではオンプレミスのOCRをご希望のお客様には「DynaEye 10」、クラウドOCRをご希望のお客様には「PFU Smart Capture Service」という製品をご用意しております。詳しいヒアリングをもとに、お客様に最適なご提案を差し上げますので、ぜひご相談ください。

まとめ

Web上で利用できるクラウドOCRは非常に便利なサービスです。しかし、OCRを活用する場面は多岐にわたり、それぞれ要求される機能が異なります。大切なのは、そのOCRが現在の課題を解決できるかどうか。OCRを導入する際は、この点に注目してください。

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