ごあいさつ

新型コロナウイルス感染拡大による影響が世界各地に広がっております。まずは感染症に罹患された皆さま、また不自由な暮らしを強いられている皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。特に災禍の最前線で医療現場に従事されていらっしゃる関係者の皆さま、政府および自治体等の皆さまには深く感謝申し上げます。

本コンサートは、過去28年間地元の皆さまに愛されながら、毎年、師走の押し迫る12月にPFUクリスマス・チャリティコンサートとして開催してまいりました。

本年、弊社は「創業60周年」の節目を迎えるにあたり、このコロナ禍での開催について検討を進めてまいりました。その結果、今回は地元の皆さまのご健康と安全を守るため、また長く築き上げてきた文化の灯を消すことのないよう、オンラインでのコンサートを開催することといたしました。

今年生誕250年を迎えたベートーヴェンの作品を、トリオで活躍している3人のソリスト、若手実力派の三ツ橋敬子さんの指揮、そしてオーケストラ・アンサンブル金沢の演奏でお届けします。

初めてのオンラインコンサートとなりますが、より多くのお客様にお楽しみいただき、コンサートのライブ感を石川県金沢市からお届けいたしますので、どうぞお楽しみください。

なお、本コンサートのチケット収益につきましては、金沢市の伝統文化の継承発展および新たな文化の創造を担う人材の育成を支援する基金「金沢市文化の人づくり基金」へ寄付させて頂きます。ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。

株式会社PFU

代表取締役社長半田 清

PFU Limited, President Kiyoshi Handa

コンサート概要

Concert Overview

公演内容

開催日 2020年12月5日(土)
時間 ライブ配信 15:00~、見逃し配信 アーカイブ生成処理後~12月6日(日)15:00
※配信時間内は何度でも視聴することができます。
視聴 オンラインでの配信となります。
都道府県 石川県
会場名 石川県立音楽堂コンサートホール
チャリティ視聴券販売価格 1,000円
※販売は10月6日(火)10:00~12月5日(土)23:00迄
指揮 三ツ橋 敬子
独奏 川久保 賜紀(ヴァイオリン)、遠藤 真理(チェロ)、三浦 友理枝(ピアノ)
管弦楽 オーケストラ・アンサンブル金沢
チャリティ 本公演の視聴券販売の収益を「金沢市文化の人づくり基金(主管:石川県金沢市)」へ寄付いたします。

出演者プロフィール

Artist Profile

©大杉 隼平

指揮

三ツ橋 敬子

Keiko Mitsuhashi

東京都生まれ。東京藝術大学及び同大学院を修了。ウィーン国立音楽大学とキジアーナ音楽院に留学。第10回アントニオ・ペドロッティ国際指揮者コンクールにて日本人として初めて優勝。第9回アルトゥーロ・トスカニーニ国際指揮者コンクールにて女性初の受賞者として準優勝。併せて聴衆賞も獲得。第12回齋藤秀雄メモリアル基金賞を受賞。2016年から神奈川県立音楽堂にて「三ツ橋敬子の夏休みオーケストラ」がスタート。神奈川フィルハーモニー管弦楽団と共に子供たちへ多彩な音楽体験を届ける企画内容が好評を得ている。

指揮

三ツ橋 敬子

Keiko Mitsuhashi

東京都生まれ。東京藝術大学及び同大学院を修了。ウィーン国立音楽大学とキジアーナ音楽院に留学。第10回アントニオ・ペドロッティ国際指揮者コンクールにて日本人として初めて優勝。第9回アルトゥーロ・トスカニーニ国際指揮者コンクールにて女性初の受賞者として準優勝。併せて聴衆賞も獲得。第12回齋藤秀雄メモリアル基金賞を受賞。2016年から神奈川県立音楽堂にて「三ツ橋敬子の夏休みオーケストラ」がスタート。神奈川フィルハーモニー管弦楽団と共に子供たちへ多彩な音楽体験を届ける企画内容が好評を得ている。

管弦楽

1988年、岩城宏之が創設音楽監督を務め、多くの外国人を含む40名からなる日本最初のプロの室内オーケストラとして石川県と金沢市が設立。金沢駅に隣接する石川県立音楽堂を本拠地とし、定期公演、海外公演など年間約100公演を行う。設立時よりコンポーザー・イン・レジデンス(現コンポーザー・オブ・ザ・イヤー)制を実施。ジュニアの指導、邦楽との共同制作など育成・普及活動にも積極的に取り組む。メジャーレーベルより90枚を超えるCDを発売。07年より18年3月まで、井上道義が音楽監督を務め、18年9月よりマルク・ミンコフスキが芸術監督を務める。

オフィシャル・ホームページ

https://www.oek.jp/

©Yuji Hori

ヴァイオリン

川久保 賜紀

Tamaki Kawakubo

2001年サラサーテ国際ヴァイオリン・コンクール優勝、2002年チャイコフスキー国際音楽コンクール・ヴァイオリン部門最高位受賞以来、主要な北米オーケストラと共演し、豊富なステージ経験を積む。 日本では1997年、チョン・ミョンフン指揮アジア・フィルのソリストとしてデビュー。以後、国内外様々なオーケストラと共演を重ね、高度な技術と作品の品位を尊ぶ深い音楽性に高い評価を得ている。近年は自ら企画するコンサートを行うなど、コンサート・プロデューサーとしての才能も発揮、後進の指導にも積極的に取り組み、2018年より桐朋学園大学院大学(富山校)教授に就任。

オフィシャル・ホームページ

https://tamakikawakubo.com/

©Yusuke Matsuyama

チェロ

遠藤 真理

Mari Endo

第72回日本音楽コンクール第1位、2006年「プラハの春」国際コンクール第3位(1位なし)、08年エンリコ・マイナルディ国際コンクール第2位。 ジャン・ピエール・ヴァレーズ、小林研一郎、山田和樹など国際的に活躍する指揮者やウィーン室内管、プラハ響、ザルツブルク・ゾリステンらと共演するなど国内外で高い評価を得ている。ソリストとしてだけでなく読売日響のソロ・チェロ奏者も務める。CDはエイベックスクラシックから7枚リリースされており、テレビや映画演奏の他に、2012年から8年間NHK-FMラジオ「きらクラ!」(全国放送)のパーソナリティを務めるなど幅広く活躍中。2009年齋藤秀雄メモリアル基金賞受賞。

オフィシャル・ホームページ

http://endomari.com/

©Yuji Hori

ピアノ

三浦 友理枝

Yurie Miura

2005年、英国王立音楽院大学課程を首席で卒業。2007年、同音楽院・修士課程を首席で修了。2001年「第47回マリア・カナルス国際音楽コンクール」ピアノ部門第1位、2006年「第15回リーズ国際ピアノ・コンクール」特別賞受賞。これまでに、東フィル、読響、東響、日フィル、群響、大フィル、京響、名フィル、札響、広響、九響、仙台フィル、山響、ザルツブルク・モーツァルテウム管など国内外の主要オーケストラと共演。また「東京・春・音楽祭」「ラ・フォル・ジュルネ」「仙台クラシックフェスティバル」「いしかわ・金沢 風と緑の楽都音楽祭」等の音楽祭にも数多く招かれている。2005年、エイベックス・クラシックスよりCDデビュー。2016年、第26回新日鉄住金音楽賞受賞。

オフィシャル・ホームページ

https://www.yamaha-mf.or.jp/art/official/yuriemiura/

演目

Program

生誕250年ベートーヴェンの世界

ベートーヴェン 交響曲第8番ヘ長調 op.93
ベートーヴェン ピアノ、ヴァイオリン、チェロのための三重協奏曲 ハ長調 op.56

音楽のクリスマス・プレゼント

坂本 龍一 戦場のメリー・クリスマス(ピアノ三重奏による)

※都合により曲目が変更になる場合があります

曲目解説

Program Note

新型コロナウイルスの影響ですっかり影が薄くなってしまったが、今年はベートーヴェン生誕250年。本来なら音楽界をあげて大々的にベートーヴェン・イヤーで盛り上がる一年になるはずだった。次々と予期せぬ事態がやってくる波瀾万丈の一年だったことを思えば、それはそれでベートーヴェン的な一年だったといえるのかもしれない。ベートーヴェンの音楽は意外性の連続なのだから。

本日演奏されるのは明朗快活な交響曲第8番と、珍しい三重協奏曲。ヴァイオリン、チェロ、ピアノの3名ものソリストを要するとあって、三重協奏曲が演奏される機会は貴重だ。10年余にわたってトリオを組んできた川久保賜紀、遠藤真理、三浦友理枝が、三ツ橋敬子指揮OEKと共演を果たす。息の合ったところを聴かせてくれることだろう

音楽ジャーナリスト

飯尾 洋一

Yoichi Iio

ベートーヴェン:交響曲第8番ヘ長調 op.93

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770~1827)は生涯に9つの交響曲を作曲した。9曲すべてが不滅の名曲として名高い。

ただし、ベートーヴェンは9曲を等しいペースで書き続けたわけではない。最初の交響曲第1番が完成されたのは1800年。交響曲第8番は1812年に書き上げられている。12年間で8作というペースは、交響曲を書く長篇作家としては十分なスピードだろう。この間、交響曲以外の多数の作品も生み出されていることを考えれば、すさまじい創作意欲である。

ベートーヴェンの「交響曲の季節」はこの第8番でいったん幕を閉じる。その後、12年もの長いブランクを経て、季節外れの交響曲ともいうべき「第九」が誕生している。つまり、全9曲の交響曲と言っても、創作時期で見れば8曲+1曲と大きく分かれているのだ。しかも「第九」は声楽入りの型破りな交響曲。純然たるオーケストラのみの交響曲は、この第8番が最後になる。その意味では古典派交響曲の完成形がここにあると言ってもいいだろう。

同時期に書かれた交響曲第7番に比べると、第8番は一見、コンパクトで、古典的な均整さが前面に打ち出されている。一方でリズムを曲作りの主役とするアイディア、ゆったりとした緩徐楽章の廃止など、第7番との共通点も見られる。

第1楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ・エ・コン・ブリオ 序奏なしで冒頭から晴れやかな主題が登場する。

第2楽章 アレグレット・スケルツァンド あたかも時計がリズムを刻むかのよう。どこかユーモラス。

第3楽章 テンポ・ディ・メヌエット メヌエットとされるが優雅というよりは、むしろ田舎風。

第4楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ 小刻みに飛び跳ねるようなリズミカルな主題で開始され、熱狂的なフィナーレを迎える。

ベートーヴェン:ピアノ、ヴァイオリン、チェロのための三重協奏曲 ハ長調 op.56

ベートーヴェンが作曲した協奏曲のなかでもひときわ異彩を放っているのがこの三重協奏曲。ピアノ、ヴァイオリン、チェロの3人ものソリストを要する珍しい編成を持つ。3人のソリストがそれぞれに妙技を競い合うというよりは、ピアノ・トリオとオーケストラのための協奏曲とみなしたほうが親しみやすいだろう。トリオのなかでもチェロがリーダー格を務めているのが特徴的だ。

ベートーヴェンの伝記作者シントラーによれば、ピアノにはベートーヴェンのパトロンであったルドルフ大公、ヴァイオリンにはカール・アウグスト・ザイドラー、チェロには当代一流の名手アントン・クラフトが想定されていたという。作曲は交響曲第3番「英雄」と同時期。1804年に「英雄」とともにロプコヴィッツ邸で試演され、1808年に公開初演された。

第1楽章 アレグロ オーケストラが雄大な楽想を提示した後、チェロ、ヴァイオリン、ピアノの順で独奏楽器が登場する。

第2楽章 間奏曲風の短い楽章。独奏チェロがのびやかな旋律を奏でる。切れ目なく第3楽章へ。

第3楽章 ロンド・アラ・ポラッカ ポラッカ(ポロネーズ)は舞曲の一種。入念で高揚感あふれるクライマックスが築かれる。

坂本龍一:戦場のメリー・クリスマス(ピアノ三重奏による)

1983年の映画「戦場のメリークリスマス」(大島渚監督)のテーマ曲。映画公開以来、さまざまなアレンジやカバーによって人気を獲得している。坂本龍一作品のなかでも、もっとも広く知られている曲だろう。今回はピアノ三重奏によるアレンジで。オリエンタル風でもあり無機的でもある主題から、しなやかな詩情があふれ出る。

PFUクリスマス・チャリティコンサートのあゆみ

History of PFU Christmas Charity Concert

1992

クリスマス・チャリティコンサート スタート

2001

石川県立音楽堂開館に合わせて、コンサート会場を変更

2007

PFU設立20周年記念 クリスマス・チャリティコンサート
世界的ピアニスト 中村 紘子さん出演

2010

PFU創業50周年記念 クリスマス・チャリティコンサート
世界的ピアニスト 中村 紘子さん再出演

▲コンサートチラシ

▲左から順に指揮者 船橋 洋介氏、中村 紘子さん、PFU元社長 輪島 藤夫、コンサートマスター 松井 直氏

2014

グラミー賞ノミネート歴のあるジャズピアニスト 小曽根 真氏の出演に合わせ、小曽根氏の友人グラミー賞受賞者パキート・デリベラ氏のサプライズ出演が実現

2017

クリスマス・チャリティコンサート 世界的チェリスト ミッシャ・マイスキー氏出演
本年、累計寄付総額3,000万円突破

▲金沢市長 山野 之義様からPFU前社長 長谷川 清に感謝状を授与する様子

2020

PFU創業60周年記念 クリスマス・チャリティ オンラインコンサート

チャリティについて

About Charity

本コンサートの収益は「金沢市文化の人づくり基金」(主管:金沢市)に寄付され、伝統文化の継承発展及び新たな文化の創造を担う人材の育成に役立てられます。

弊社は1992年から28年にわたり、本団体に寄付を行い、総額32,923,597円となっております。

本年も変わらず、同基金に寄付する予定です。

コンサートの視聴方法

How to

コンサートを視聴するには事前に イープラスによる視聴チケットの購入が必要です。詳しくはイープラスのサイトにて視聴ご利用ガイドをご覧ください。

お問い合わせ

お問い合わせはメールにて受け付けております。
下記のメールアドレス宛に、お問い合わせ内容、お名前、ご連絡先(メールアドレスまたはお電話番号)をご記入の上送信してください。担当者が確認次第、折り返しご連絡させていただきます。

メールアドレス:
charityconcert@pfu.fujitsu.com

メールでの返信をご希望の場合は、事前に弊社からのメール(@pfu.fujitsu.com)を受信できるよう設定をお願いします。

本イベントで使用する電力のうち1,000KWhを風力発電による自然エネルギーでまかなっています。