1. ホーム > 
  2. ソリューション&サービス  > 
  3. PFUタイムスタンプサービス

電子文書の証拠価値を、時刻で支える。企業の信用確保へ、タイムスタンプ。

販売終了製品

e-文書法の施行を機に、申込書、請求書、納品書といった国税関係帳簿書類などさまざまな書類の保存・管理が、従来の紙ベースから電子文書へと大きくシフトしようとしている。 紙から、電子文書へ。真の意味でのペーパーレスへと、時代の流れが一挙に動き出した。しかし、ここで見逃してはならないのが、電子文書の原本性である。
はたして、それが、いつ作成され、改ざんされた恐れはないのか・・・その証拠価値を向上させるソリューションとして、いま、注目を集めるのが「タイムスタンプ」である。

時刻に対する、いわば電子太鼓判「タイムスタンプ」

e-文書法施行(2005年4月1日)を機に、いよいよ本格的な電子文書時代の到来です。それに伴うセキュリティの重要性は企業の方々も十分に認識していると思うのですが、そもそも「タイムスタンプ」とはどういったソリューションなのでしょう。

石川
ひとことで申しますと"電子データの証拠価値を高めるサービス"です。 今後、電子文書が原本として公的に扱われるために欠かせないのは、ひとつには署名の証拠性。 それに加えて、時刻と改ざんの有無の証拠性なのです。 たとえば取引企業同士で電子化された契約書を交わすという場合に、その発効時刻が違っていては原本性が揺るぎかねません。 特にパソコンの表示時刻は任意に設定できる時間で、その任意時刻のまま時が刻まれていくため、厳密には互いにずれていたりするわけですから・・・。
そこで電子文書の時刻に対する原本性、証拠性を確立すべく誕生したソリューションが、「タイムスタンプ」なのです。 今後、電子文書が公式な書類として扱われるようになるほど、その正確な発効時刻と改ざんの有無を証明できる「タイムスタンプ」が不可欠な社会的インフラとなることは、疑いようがありません。 こうした動向をふまえて、私どもPFUでは、この「タイムスタンプ」のいち早いサービス実現に取り組んできたのです。

なるほど、「タイムスタンプ」とは時刻の電子太鼓判なり、というわけですね。セキュリティということで捉えても、「タイムスタンプ」は今後の最重要課題になりそうですね。

小谷
「タイムスタンプ」は数年前から学会、業界団体等で論議が始まった新概念ですが、文書の電子化と共に、そのセキュリティ確保に欠かせないソリューションでしょうね。 電子署名法までは「誰が作ったか?」を保証する電子署名の有効性だけで事がすみました。 しかし、e-文書法が施行されるとなると、税務・財務書類、契約書といったさまざまな電子文書に、「いつ、できたか?」という時刻の証明と、「内容が変更されていないか?」という原本性の確認も必要となってくるわけです。 つまり契約書などでは、誰が甲か乙かという電子署名の他に締結した日時などが証明されなければ、もはや原本性は確保されません。 「タイムスタンプ」が、今大きくクローズアップされるのも道理でしょう。

金井
小谷先生がおっしゃったように、会社の権利関係の資料というものはいつ作られたかということがとても重要です。 したがって、電子文書がいつからその状態で存在しているかの証明が必要なのです。 紙文書の場合は、100年以上も昔から、公証役場や郵便局で判子を押してもらい日付を確定する「確定日付」という制度があるのですが、皆さまが「確定日付」を使用したご経験のない様に、あまり使われていません。 じゃあ、紙で使っていないものをすぐに電子文書のケースに転化して活用できるかというと、普通、気づかないものですよね。 その意味で、「タイムスタンプ」は素晴らしい発想だと思います。

フランテック法律事務所 弁護士
慶応義塾大学 法科大学院
講師 金井 高志氏

富士通株式会社
アウトソーシング事業本部
セキュリティサービス統括部
セキュリティシステム部 担当部長
工学博士 小谷 誠剛氏

株式会社PFU
イメージプロダクト事業部
ソフトウェア開発部
タイムスタンプ担当
担当部長 石川 昭一

「e-文書法」施行で問われる、電子文書の証拠性

さて、規制緩和によって、電子文書活用の場が無法地帯になっては本末転倒です。法律の専門家から見てどうお考えですか。

金井

インターネットのコンテンツ開発会社などの法務を担当する関係上、コンピュータ関係の法的事例をたびたび扱うのですが、なにか紛争が起こった場合、電子メールを証拠として提出するケースが極めて多いのです。 つまり、電子文書は準文書としての証拠能力を持っているのです。 しかし電子メールは改ざんが容易なため、その可能性を疑われてしまい、裁判の証拠としての効力はとても弱いのです。 ですから、裁判官が、提出された電子文書を、紛争が始まる時点と全く同じものであると認めてくれるか、紛争が起きてから都合の悪い部分を改ざんしていないと認めてくれるかが重要であり、改ざんの可能性をどうやって排斥し、裁判官の心証を高めていくかが、電子文書を証拠として扱っていく上での課題になってくるでしょうね。 やはり根本として、紙は、物理的な紙として、法律的には有体物として存在しています。 これに対し、電子メールをはじめとした電子文書は法律的には実体のないもの、無体物なのです。 このため存在証明が難しいうえに、今言ったようにその改ざんの容易さから、完全性証明の観点からは証拠としての価値が弱いのです。

確かに、電子メールが証拠では、いかにも心許ない・・・。

金井

だから、まだ現時点では、やはり紙なのです。 紙が裁判での証拠となる条件はサインや印章の付与なのですが、この紙が、今後デジタル化されていくわけですから、もはや電子署名だけでは不十分でしょう。 法的にいっても企業における権利関係資料は、いつ作られたかがとても重要です。 ですので、その電子文書が、いつからその状態で存在しているかを証明することのできる「タイムスタンプ」はとても有用でしょう。

電子文書も弱いながら証拠価値を持っているというお話しですが、それでは、e-文書法の施行前の現在、裁判で何を基準に電子文書を扱っているのですか?

金井

今まで、各企業が電子文書を、具体的にどういう基準で、どういったセキュリティで保存するべきかという基準はありませんでした。 e-文書法をきっかけとして、総務省や経済産業省などの官庁がそれぞれに、電子文書に関する一応の基準を発表しているというのが、現在の状況です。 このように、e-文書法によって公式に電子文書の保存が認められて、その保存方法の基準ができることで、法律を背景としたルールができていき、各企業の電子文書保存がやりやすくなるということが1つ言えます。 また、裁判に視点を戻すと、裁判では電子文書の証拠価値、つまり先程お話しした存在証明や完全証明の判断基準はe-文書法ではなく、すべて判例を参考にして行うということになっているのです。 しかし、いきなり判例を作るということはできませんので、e-文書法施行を1つの契機として、今後、判例ができていくことでしょう。 ですから、裁判における電子文書の扱い方の1つスタンダードというものが、e-文書法によって作られていくということですね。

コンプライアンスありきの、規制緩和

企業の社会責任が問われる中、「タイムスタンプ」はコンプライアンス・マネジメントの視点からはいかがでしょう。

金井

今、企業経営において「コンプライアンス」、「コーポレート・ガバナンス」がキーワードとなっています。 コンプライアンスとは、基本的には国との関係で民間企業が法を遵守するということです。 例えば、アメリカでの大手企業にまつわる不正取引事件の際には、SEC(証券取引委員会)が取引記録を全てチェックしました。 遵法性を実証するためには、その記録がきちんとしたセキュリティのもとに管理され、内部・外部から改ざんされていないことを証明しなければいけません。 もし「タイムスタンプ」があれば、その記録の真正性は高く、法遵守の強力な証明となりえます。 また、コーポレート・ガバナンスはというと、これは少し視点が変わって、株主から企業経営を見たものです。 株主というのは、取締役を中心とした企業の経営陣に対して、財産の運用を任せている人のことです。 ですから、何かトラブルが起こり、企業の利益が減ると、それは株主の財産が減っていくのと同意なわけで、株主にとっても、トラブル時に真正性のある過去のデータにより遵法性を実証する証拠を提出できるかということは重要なのです。 つまり、タイムスタンプを導入している企業は、それだけリスクを回避できる企業であり、株主も安心して財産の運用を任せられる企業であると言えるわけです。

電子社会へ広がる、「タイムスタンプ」の可能性

電子文書の証拠価値の向上以外に、今後、「タイムスタンプ」はどんなメリットや活用法が考えられるのでしょう。

小谷

セキュリティの観点から考えましても「タイムスタンプ」はとても重要なのです。 多種多様な電子データへの「タイムスタンプ」の活用は、その信用性を格段に向上させるでしょうね。 例えば、ネットオークションなどの手数料のかなりの部分はトラブル時の保険料、いわゆるリスク回避のためのソーシャルコストに費やされていると言われていますが、そこに「タイムスタンプ」が導入されたとしたら、改ざん・不正行為を抑止できますから、その分、保険料を激減させることが可能になると言えます。 電子データが活用されるあらゆるシーンで活用できたら、ソーシャルコストによる社会的不利益をなくすこともできるはずです。 このように「タイムスタンプ」は電子データを改ざんや不正行為から守る新しいセキュリティソリューションとして考えることもできます。

石川

そうですね、「タイムスタンプ」が広く普及すれば、電子文書は紙以上の実証能力を獲得することが予測できますからね。

小谷

また、「タイムスタンプ」は電子データの著作権や真意性、有効性なども保証し、誰もが安心してインターネットのコンテンツなどを通じて、インテリジェンスの共有環境までも実現するソリューションなのです。 そして、根本的なことですが、電子データの公式文書としての活用が可能となれば、紙の代金、保管や移動など物理的コストが削減できる。 このように、「タイムスタンプ」は多種多様な可能性を持っているのです。

国際標準化をバックボーンに進化する「タイムスタンプ」

となれば、「タイムスタンプ」は国を問わず、あらゆる企業、人がその信頼性を認め、自由に活用していけるソリューションでなければなりませんね。

小谷

「タイムスタンプ」が社会インフラとして成長していくためには標準化は欠かせないでしょうね。 データの証拠価値は社会全体が認めるものですから。 ですので「タイムスタンプ」にとって、確認する手段、方法がオープンで誰もがその電子文書が「いつ書かれたか」、「改ざんされていないか」ということを知ることができることが、とても重要なのです。

石川

要するに、弊社の「タイムスタンプ」ユーザーが、弊社に頼んで、初めて確認できるようではいけない。 自分自身の手で確認できるものでないといけないということですね。 私どもはオープン性の高い技術を活用し、誰もが利用できるサービスを目指しています。 そのために、「タイムスタンプ」の開発にあたっては、プロトコルが独自仕様であってはならないと、ずっとこだわってきました。 より多くの方に活用していただくためにも、このポイントは、はずすわけにはいかなかったのです。 そして、私どもの「PFUタイムスタンプ サービス」は、暗号技術を駆使した最先端のセキュリティ技術を結集する一方で、国際的な標準形式(RFC3161、ISO18014など)に適応した国内初の商用サービスとなっています。 国際標準に準拠しているということは、プラットフォームやOSの互換性や劇的な進化にも対応できるということです。 そして、お客様が、国際基準にのっとって確認していただけば、「タイムスタンプ」が確認できるような仕組みを作っております。 それが今後定着していく上で、最も重要な要素の1つでしょう。

国際標準ということは、多くの多国籍企業にとってもそのメリットは大きいでしょうね。

金井

基本的に世界共通の法律というのは作れませんので、各国も国際的なデファクトに従わざるをえません。 したがって、グローバルに事業展開している企業にとって、国際的に推奨されている基準に準拠したシステムを導入するメリットは非常に大きいでしょう。 だからこそ、ビジネスがグローバルに広がる今、日本企業にとって、情報に対する国際的なコンプライアンス対策としても、「タイムスタンプ」が欠かせなくなってきますね。

しかし、いくら国際標準に準拠していても、企業の信用問題にも関わることがらです。政府不介在ではユーザーは不安ではないかと思うのですが・・・

小谷

今回のようにe-文書法などの法律を作って電子文書の公的活用を定めたのは、世界でも日本が初めめてなのです。 意外と思われるかもしれませんが、e-JAPAN構想の中で、さまざまな法整備が進んでいるんですよ。

金井

その通りですね、インターネットのコンテンツの著作権法も日本が初めてでしたし、日本はデジタル関係では法的に先進国といえます。

小谷

とはいいましても、電子署名法はありますが、タイムスタンプ法はまだ存在しません。 それがe-文書法制定のための国会でも審議されまして、e-文書法の施行までにタイムススタンプ法は間に合わないが、それに準じるものをということで、昨年12月10日に総務省配下の財団法人「日本データ通信協会」が「タイムビジネス信頼・安心認定制度」を創設することを発表し、今年1月31日付けの官報で電子帳簿法関連の書類については、この認定を受けたタイムスタンプを使うことと明記されました。 つまり、いわゆる政府によるお墨付き制度ができたと言えると思います。

石川

弊社も、いち早くe-文書法におけるタイムスタンプ業者の認定を獲得し、精力的に活動を行っております。 やはり、認定を獲得するということは、電子文書の信頼性がそれだけ高まるからです。 言ってしまえば、弊社がタイムスタンプに着手した動機もこれと同じなのです。 IT技術の進歩の中で電子文書が紙文書に取って代わるだろうことは、数年前から予測ができました。 しかし、周りを見渡してみると、まだ国際標準などに順じた形では、どこも着手していない。 誰かがやらなければいけないのなら、私たちでやろうということで取り組んだのです。 すべては、皆さまが安心して電子文書を使用できる環境の実現という目標に向かっています。

「タイムスタンプ」ソリューションの先発企業としての責任、重大ですね。

石川

なにしろ、企業活動ひいては社会活動そのものに直結するソリューションですからね。 弊社でも、タイムスタンプを、社会に存在する電子データの信頼性を担う、重要なインフラへと発展するシステムだということを肝に銘じて、システム開発に取り組んでおります。 時刻を付与するだけのものではないですから、電源やデータバックアップの二重化構造などシステムの安定稼動対策・セキュリティ対策、そして、タイムスタンプの基礎となる暗号技術も、常に最新技術を導入し進化してつづけています。 皆さまに安心して利用してもらえることを一番に考え、そのためにできることは、できる限り実行していきます。