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Eight vs Wantedly People ― 達人おすすめの名刺管理術を徹底討論

Eight vs Wantedly People ― 達人おすすめの名刺管理術を徹底討論

EightやWantedly Peopleなど名刺管理アプリを使っている人が増えています。使ってみたいけど、何を選んでいいかわからない、使いこなすのが難しそうと思っている方も多いはず。そこで今回は、ITやクラウドをフル活用している達人、「Eight」を使っている文具王こと高畑正幸さんと、「Wantedly People」を使っている元エンジニアで僧侶の小路竜嗣さんに、アプリを選ぶポイント、おすすめの使い方を聞いてきました。

目次

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    Eight、Wantedly People、それぞれを選んだ理由

    ――さっそくですが、名刺管理にはどのアプリをお使いですか?

    高畑:僕は名刺交換をする機会が多くて、月に何度もイベントがある他に実演販売や講演などがあり、一度に20~30枚近くの名刺をもらいます。これを管理するのに「Eight」を使っています。有料のEightプレミアムです。
    僕はずいぶん前から名刺をデータ管理できるものを求め続けていて、最初は OCR もないスキャナーでスキャンして、JPEG画像として保存していたんですよ。その後、OCRが登場し、ScanSnapの添付ソフトである「CardMinder」を使うようになりました。これで随分楽になったなと思ったんですが、名前などが間違ってないかチェックするのが面倒でした。
    そこで行き着いたのがEightです。 Eightは人力で名刺情報をデータ化してくれるので正確。さらに、MacとiPhoneを使っているのですが、その住所録に連携できるという点も気に入っています。Eightに読ませておけば最小限の作業で済むので、名刺はほぼすべてEightに入れています。

    小路 Eightは、転職などの情報も更新してくれますよね?

    高畑 転職や異動などで本人が情報を書き換えれば、アラートが表示されます。ビジネス的にはこの点もありがたい。 さらに、Eightは早期にサービスをスタートしているので、使っている人が多いというのもあると思います。小路さんはどうですか

    高畑正幸さん

    小路:私は、今、Wantedly Peopleを使っているのですが、以前は別のアプリを使っていました。実は、お坊さん同士は名刺のやりとりをしないんですよ。寺の名前さえ分かれば連絡先が分かるし、引っ越しもないですから。では、いつ名刺交換をするのかというと、IT関係のイベントの時なんです。そこでは1日に20枚もらうことがあるのですが、その後は2ヶ月名刺交換がないといった感じです。毎月使うわけでもないので「月額有料のサービスは使いにくい」と思っていました。そうしたら、2016年の末にWantedly Peopleがリリースされるとのことで試してみました。 OCR(光学文字認識)にAIを使うことで、これまでのOCR系名刺アプリより、かなり正確にテキストを読み取ってくれます。また、完全無料でスマホの連絡先と連携ができて、データのエクスポートも可能という点が気に入り、Wantedly Peopleを使うことにしました。

    高畑:Wantedly Peopleだと、スキャンしてからデータ化するのにどれくらい時間がかかるんですか?

    小路めちゃくちゃ早いですよ。読み込んだら、数秒でデータとして保存されますね。やってみましょうか。

    小路さんと高畑さん

    小路さん「もうデータ化されましたよ」。高畑さん「こんなに早いんだ!」

    Wantedly Peopleを確認する小路さん

    登録されたデータを見ながら、情報の正確性を確認する小路さん

    高畑これだけ早いとスピードを求める人には魅力的だなあ。ビジネスパーソンは、その日のうちにメールを送りたいという人も多いし、最適でしょうね。

    小路:そうなんですよ。縦書きの電話番号などもちゃんと読み込んでくれますしね。

    高畑:それはいいですね。 正確性を求める人はEight。スピードを求める人はWantedly Peopleという風に求めることに合わせてアプリを選ぶとよさそうですね。

    小路:以前は大企業しかこういったシステムを使えなかったのが、今では私たちのように個人で活動している人も使えるようになりましたよね。 ITの敷居が下がったことで、個人事業主でもこういったソリューションが使えるのは魅力だと思います。ぜひ、自分に合ったものを使ってほしいです。寺にITってあまり必要ないように思う方もいるんですが、実際は人口減少や後継者不足など課題が山積みです。解決するためには、こういったITツールの活用は欠かせませんし、これからは主婦や高齢者にも広がっていくんだろうなと思います。

    名刺の取り込み方法

    ――名刺のデータ化は、どのようなタイミングで行っていますか?

    小路:Wantedly Peopleは最大10枚の名刺を一度に撮影してデータ化することができます。5~6枚の名刺であればスマホ撮影で対応できるので、イベント会場などではいただいた名刺をその場で取り込んでしまうことが多いです。もっと多ければ、ホテルに帰ってからスキャナーを使って取り込みます。紙の資料があるだろうなと思ったらモバイルスキャナーScanSnap iX100を持参していますしね。 ScanSnapとWantedly Peopleは、同じWi-Fi下にあればコードレスで連携できるので便利です。Wantedly Peopleに決めた理由も、この連携が決め手のひとつでした。

    ScanSnap iX100で名刺を取り込む

    ScanSnap iX100で一気に名刺を取り込む

    高畑:僕は、95%がスキャナーですね。名刺をもらった人には手書きでハガキを書くというのをマイルールにしているので、データ化は急ぎません。ですので、帰宅してから自宅にあるScanSnapで名刺をスキャンすることを習慣にしています。そして、ハガキを書き終わったら名刺はイベントごとにノートに貼って整理しています。

    小路:以前会った時にハガキをもらいましたが、そうゆうことだったんですね。

    高畑:そうなんです。ScanSnapには「 ScanSnap Cloud」という機能があって、設定さえ入れておけばボタンひとつで名刺は名刺アプリに、レシートは会計アプリにと分けて保存してくれるので便利です。スマホもパソコンも立ち上げる必要がないんですよ。これ、知らない人は、ぜひやってほしいなと思います。
    EightはこのScanSnap Cloudに対応しているのが良いんですよ。帰ってきたら何も考えずScanSnapに今日もらった名刺とレシートを突っ込んで終わり。これをルーティーンにしているのが整理を続けられるコツですよ。

    ScanSnap iX500と高畑さん

    いつも使うScanSnap iX500は常に電源ONにしているという高畑さん

    小路分かります。ScanSnap自体が裏技なんですよね。知らない人だと、「なんだその便利な機能は!」って思うはずです。私の自宅にはScanSnap iX500とSV600に他社製のフラットベッドスキャナーを1台持っていて、用途に合わせて使い分けています。ScanSnap iX100は名刺やレシートは2枚同時にバンバンスキャンできるので、スピーディーなんですよね。

    高畑:僕は家にスキャナーが8台あって、そのうち4台がScanSnapです。

    小路:それは、かなりディープですね。

    高畑:実はScanSnap 歴が長くて、Macに対応していないときはScanSnapを使うためにWindowsマシンを使っていたほどです。 気に入っている点は、ボタンを一個押すだけで各アプリに情報が登録される簡単さと、紙を送る性能がすごくよいところなんですよ。

    小路:分かります。私は大学時代に摩擦工学を専攻していたのですが、ScanSnapは紙を送る技術がすばらしいなと感心しています。チラシのようなペラペラな紙、分厚い紙、光沢のある紙、ザラザラした紙など、どんなものでもほぼ間違いなく1枚だけ送ってくれるんですよ。これって、簡単なようで実は技術的に難しいことなんです。また、もし重送が発生した場合、例えば、糊でくっついた紙など見た目は1枚に見える紙でも、超音波センサーが付いていて2枚の重なりを検知してくれるので、すごく信頼が高いです。気づかず捨ててしまったら取り返しがつかないですから。

    高畑:ローラーの性能って大事で、僕はいつも言っているんですが、1分間に25枚スキャンできるものと30枚のものがあったとしても、紙の束を入れてスキャンしていて重送で止まったら、結果的には止まった方が遅くなるじゃないですか。スキャナーを止めて、紙を出して確認して、もう一度セットし直して続けるとなると時間がかかる。ScanSnapはその心配がほとんどないので、すごく信頼性が高いんです。外見をみただけでは中々わからないですが。

    小路:メンテナンスもしやすくて、PFUさんはこんなに壊れないスキャナーを作って大丈夫なのかな?と思うほどですよ。

    ScanSnapで盛り上がる高畠さんと小路さん

    ScanSnap iX500のカバーを開け、内部のローラーや超音波センサーなどそれぞれの気に入っているポイントを語りながら盛り上がる

    熱く語る高畑さん

    紙を1枚ずつ正確に送るためのローラーの仕組みを熱く語る高畑さん

    デジタル化の時代でも名刺交換は特別な意味を持つ

    ――デジタル化が進む時代の名刺交換について、どのように考えていますか?

    高畑:あきらかに昔とは、人脈形成のスタイルややり方が違っていると思いますね。

    小路:以前、高畑さんとはイベントでお会いし、名刺交換しましたよね。けどその時はほとんどお話しませんでした。でも、その後はSNSを通じてお互いに何をしてるのかを見ているので、今日お会いしたときも久しぶりにあった感じがしない。名刺交換をしていなかったら、こうなってないですよね。

    高畑:そうなんですよ。同級生でも、SNSを通じていろいろなことを知れるようになったんですけど、それでも久しぶりに会えば名刺交換をするんですよ。

    小路SNS上で仲が良くても、実際に会えば名刺交換は欠かせないですし、実際に対面するというアナログのパワーはすごいですよね。実際に会って、同じ空間にいるということが大事なんでしょうね。一緒に体験するというのはデジタル上では叶えられないですよね。

    高畑:そうです。名刺を交換することには空間が伴っているんですよ。ただ名刺を交換しただけではなく、他の情報と組み合わせられるわけですから。

    小路:そう考えると、デジタルのアンチテーゼのように思えるアナログな紙名刺は、実は空間や体験といったデジタルでは得られない情報を帯びた資産なのかもしれせんね。

    高畑:確かに。 名刺管理アプリも、この先もっと進化して用途も拡張し、面白いアシストもしてくれるんじゃないかと思います。だから今から使って、名刺情報を資産にしておくといいですね。

    小路:名刺交換をデジタル化することで、さらにアナログの世界でもつながりが深くできるようにアプリがつないでくれるといいですね。これからが楽しみです。

    まとめ

    • 名刺アプリは自分に合ったものを選ぶことが重要。
    • Eightはコンスタントに名刺をもらい正確なデータが欲しい人に向いている。
    • Wantedly Peopleはデータ化の速さを求める人に向いている。
    • どちらもシンプルかつ高機能。ScanSnapと連携しているので合わせて使うのがおすすめ。
    高畠さんと小路さんとScanSnap

    文具王 高畑正幸(たかばたけ まさゆき)さん(左)
    TVチャンピオンで3度優勝し「文具王」の異名を持つ。文房具の企画デザインからマーケティング、執筆、販売など様々な活動を行なっている。また、道具に対する豊富な知識と洞察力、そして好奇心を自由自在に操りながら、本当に実践できる便利な仕事術を提案する。
    https://bungu-o.com/
    http://www.buntobi.com/
    使用している名刺管理アプリ:Eight

    浄土宗善立寺 副住職 小路竜嗣(こうじ りゅうじ)さん(右)
    エンジニアから僧侶に転身したユニークな経歴を持つ。仏教の魅力をさまざまな場所で伝える一方、寺のIT化を推進する「寺院デジタル化エバンジェリスト」とScanSnapアンバサダーとしても活動している。
    https://zenryuji-jodo.com/
    使用している名刺管理アプリ:Wantedly People

    Eightロゴ

    • Sansan社が提供している名刺管理用クラウドサービス。
    • 画像として取り込んだ名刺をテクノロジーと人力を合わせた独自のシステムでデータ化。
    • 基本機能は無料、有人でデータ化するため正確。
    • 名刺情報が更新されると通知される。

    Wantedly Peopleロゴ

    • ウォンテッドリー社が提供している完全無料の名刺管理アプリ。
    • 人工知能と機械学習により名刺情報をデータ化するため、読み込むほどに認識精度が上がっていく。
    • 読み込んだ名刺が即時データ化されるのも魅力。
    ScanSnap_iX1600

    ScanSnap iX1600

    毎分40枚・80面の両面高速読み取りを実現し、簡単操作のタッチパネルを搭載。Wi-Fiの5GHzに対応し、原稿サイズ、色や両面・片面を自動的に判別。 驚くほど簡単、スピーディーに電子化します。
    ※記事中の「ScanSnap iX500」の後継モデルです。
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    ScanSnap iX100

    バッテリー・Wi-Fiを搭載しながら、わずか400gのコンパクトボディ。場所を選ばず原稿を電子化でき、手軽に情報の保管や共有が可能。

    この記事を書いた人

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