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ペーパーレスとは?企業で導入されている理由・メリットを解説

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働き方改革や、ワークライフバランスを重視する働き方など、「働く」に対する価値観の変化に対応するため、ペーパーレスの導入を検討している企業も多いのではないでしょうか。

とはいえ、以下のような疑問もきっとあるはず。

「ペーパーレスを導入している企業はどれくらい?」

「ペーパーレスにはどのようなメリットがあるの?」

「どこまでやれば、"ペーパーレスを導入している"といえるの?」

この記事ではペーパーレス普及率のデータとともに、ペーパーレスが注目されている理由・メリット・導入する際の注意点など詳しく解説します。

ペーパーレスを検討している企業の方は、ぜひ参考にしてみてください!

目次

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    1. ペーパーレスとは?

    「ペーパーレス」とは、従来は紙で作成・保存していた資料をデジタルに移行することで、業務における紙の使用を減らす取り組みを指す言葉です。

    感染症流行によるテレワークの普及、SDGsへの取り組み、また、電子帳簿等保存制度の施行などにより、現代社会におけるペーパーレスへの意識は年々高まっています。

    主に企業の取り組みとして使われる言葉ですが、紙の使用を削減するという意味では電子書籍・オンラインチケットもペーパーレスの事例として挙げられます。

    2. ペーパーレスの普及率

    ペーパーレス化は、どれくらい広がりを見せているのでしょうか?

    ペーパーロジック株式会社は、東京に本社をもつ企業の経営層105名を対象に「ペーパーレス化に伴う2022年度予算に関する意識調査」を実施しました。社内のペーパーレス推進状況やその予算に対する意識調査です。

    2021年12月に公表された結果によると「2021年に社内のペーパーレスの推進を実施したか」という質問に対し、合計72.3%の企業がペーパーレスを推進したと回答しました。

    「2021年に社内のペーパーレスの推進を実施したか」の調査結果

    出典: ペーパーロジック株式会社
    【リサーチ】「ペーパーレス化に伴う2022年度予算」に関する調査」
    URL:https://paperlogic.co.jp

    さらに、ペーパーレスを導入した企業に「さらなるペーパーレス推進のために、2022年度にペーパーレス化システム導入のための予算配分を予定/検討しているか」と質問した結果、ペーパーレスを導入した企業の75%が「予定または検討している」と回答しています。

    このように都内企業の多くがペーパーレスの取り組みに意欲的であり、今後もペーパーレスの普及率は高まっていくことが予想されます

    3. なぜ企業でペーパーレスが注目されているのか

    2021年度の時点で、すでに多くの企業が積極的にペーパーレスに取り組んでいることがわかりました。ですが、なぜここまでペーパーレスが企業から注目を集めているのでしょうか。その理由は大きく3つ考えられます。

    3-1. 政府による法整備

    ペーパーレスを後押しする法整備

    以下のような段階的な法整備が、ペーパーレス化を後押しするものとなっています。

    • 電子帳簿保存法
    • e-文書法
    • 働き方改革

    中でも電子帳簿保存法の改正によって、企業のペーパーレスに対する必要性がより一層高まりました。電子取引により授受した書類のデータ保存が義務付けられるようになったのです。

    また、2023年10月には、インボイス制度も開始されます。

    インボイス制度が始まると、保存や管理が必要な書類が多くなり、経理処理も煩雑になることが予想されます。

    このタイミングでペーパーレスを推進し、領収書や書類をデータで保存する流れを整えておくと良いでしょう。

    3-2. テレワーク推進

    IT技術を活用してビジネスモデルに変革をもたらす「DX」の必要性、そしてコロナ禍の影響が合わさりテレワークを導入する企業が増加しています。

    しかしテレワークはオンライン上でデータをやり取りできる環境が前提となるため、紙に依存したままではテレワークを推進することが難しくなります。

    ペーパーロジック株式会社の調査では79.5%の経理担当者が「紙の請求書を電子に変更してほしい」と声を上げていることがわかりました。

    その理由として、43.9%が「テレワークで処理したいから」と回答しています。

    テレワークをはじめ、近年は多様な働き方を尊重する考え方が広まっています。

    個々に最適なワークスタイルに対応するという意味でも、ペーパーレスの推進は必要不可欠です。

    3-3. SDGsの一環

    紙の資料に依存し続けることは、原料となる木材の消費に伴う地球温暖化などの環境悪化につながります。

    環境に悪影響を与えず持続可能(サステナブル)な社会を作り上げる現代の考え方「SDGs」に対応するのであれば、必然的にペーパーレスは推進するべき取り組みとして挙げられます。

    SDGsへの取り組みを通じて積極的に社会的責任を果たす姿勢を示すことは、企業イメージの向上にも効果的です。

    4. ペーパーレスのメリット

    ペーパーレス化のメリット

    企業でペーパーレスが注目されていることが分かりましたが、ペーパーレスの推進でどのようなメリットを得られるのでしょうか。

    4-1. 業務効率の向上

    資料をデジタルへ移行すると、パソコンやタブレットなどのデバイスから必要な情報をすぐに取り出せるようになります。

    また、クラウドサービスやメールでデータをやり取りできるため、自宅・外出先などさまざまな場所での情報共有がスムーズになり、業務効率の向上につながります。

    4-2. コスト削減

    紙で資料を作成するにあたっては、用紙代・インク代・印刷機器のメンテナンス代などさまざまな費用が必要です。

    さらに書類を郵送するとなれば封筒や送料といった費用も加わります。

    ペーパーレスを推進して資料をデータ化すれば、上記のようなコストを削減しつつオンライン上で簡単に情報をやり取りできるのです。

    4-3. セキュリティー強化

    紙の資料は、機密性の高い内容であるほど細心の注意を払って管理する必要があります。さらに持ち出し時には、汚れたり紛失する可能性もあります。

    一方、データ化した資料であれば個人レベルでの閲覧制限を設定でき、情報漏洩対策になります。ファイルサーバーのバックアップの仕組みを整えておけば、「うっかり削除してしまった」という場合も安心です。

    4-4. BCP対策

    BCPとは「Business Continuity Plan(事業継続計画)」の略語です。

    地震・火災・水害などの災害が発生した際の、事業継続、早期復旧のための対策を指します。

    重要な資料を紙媒体で保管している場合、災害などの影響を受けて紛失する可能性があります。

    資料をデータ化し、バックアップを取っておけば、災害による資料紛失の被害が抑えられるため、ペーパーレスはBCP対策という観点においても有効な取り組みです。

    4-5. オフィススペースの有効活用

    ペーパーレスを推進すると、従来は資料の保管場所として使っていたスペースを別の業務や設備に活用できるようになります。

    キャビネットの数を減らして、オフィスを広々と使えるようになるでしょう

    5. ペーパーレスの課題と注意点

    ペーパーレス導入の課題と注意点

    多くのメリットがあるペーパーレスですが、対策すべき課題や、導入時の注意点についても確認しておきましょう。

    5-1. ペーパーレスの課題

    ペーパーレスを進めるにあたって、以下3つの課題における対策が重要です。

    • ITリテラシーが必要
    • システム障害の影響を受ける
    • 導入コストがかかる

    5-1-1. ITリテラシーが必要

    データ化した資料を管理するにあたって、従業員にはITリテラシーが求められます。

    しかし長きにわたって紙の資料を使っていた企業の場合、従業員のITリテラシーが不足していることも珍しくありません。

    ITリテラシーが不足したままデータ管理を任せてしまうと、無料Wi-Fiにアクセスして情報漏洩を招いたり、閲覧制限を誤って設定したりと、セキュリティーにおけるリスクが高まります。

    ペーパーレスの推進と同時に、従業員のITリテラシーを向上させるための教育が必要です。

    5-1-2. システム障害の影響を受ける

    電子データに移行した資料はサーバー上で管理するため、システムやインターネット回線に障害が発生すると閲覧できなくなる可能性があります。

    また、ネットワーク環境の状態が安定していないとアクセスに時間がかかり、業務効率が低下するリスクもあります。

    ペーパーレスだけでなく、日頃から遅延のストレスがない環境で仕事にあたるためにも、社内インフラを整備しておきましょう。

    5-1-3. 導入コストがかかる

    ペーパーレスは、データを格納しておくためのストレージの確保、システムの利用料金などの金銭的コストがかかります。

    膨大な量の資料をデータ化するとなれば、相応の時間もかかってしまいます。「コストを考えると踏み切れない...」という企業も多いかもしれませんね。

    ですが一度基盤を整えてしまえば、紙の管理にかかっていたコストを削減できます。多様な働き方が実現しやすくなるなど、長期的に考えると十分な費用対効果が見込めるのではないでしょうか。

    「コストがかかる」という課題に対してはペーパーレス化できそうな書類から少しずつ移行することで、効果を実感しながら、また、周囲の理解を得ながら進めていくのがオススメです。

    まずは、"とりあえず"で保管している書類を、"とりあえず"データ化してみませんか?データ化した書類を廃棄することで、オフィスがぐっと広くなり、省スペース化を実現できるかもしれません。

    スキャンする書類の枚数が多い、または、これから増える見込みがあるという方には、自動給紙方式(ADF)のドキュメントスキャナーがオススメです。

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    たとえば拠点に1台スキャナーを置いてみて、経費精算からペーパーレスを導入するという方法もあります。郵送コストがカットされ、申請がスピーディーになるのはもちろん、「この書類もスキャンしてみたらどうか?」など、社員自身が新たなペーパーレスの方法を発見するキッカケになるかもしれません。

    ほかにも、会議資料やイベント案内を印刷している場合は、共有方法を紙からデータに移行してみましょう。「紙を出さない」ことも、身近に取り組めるペーパーレス化です。

    5-2. ペーパーレスの注意点

    ペーパーレスを導入する前に、以下の注意点を押さえておきましょう。

    5-2-1. ペーパーレスにできない書類がある

    e-文書法は書面保存が義務付けられていた法定保存文書のデータ化を容認する法律ですが、以下のような書類のデータ化は認められていません。

    • 災害安全マニュアルや安全の手引き
    • 免許証や営業許可証
    • 不動産取引における重要事項説明書や定期借地契約書など

    現物性の高いものや、不動産関連書類の多くは紙で保管することが義務付けられています。

    ペーパーレスを推進する際は必ず法規制を確認し、どんな書類がデータ化できるのか・できないのかを把握しておきましょう。

    5-2-2. ファイル命名規約、および優先順を決めておく

    紙書類をデータ化する際、わかりやすいファイル名を設定しておけば、求めるデータにアクセスしやすくなります。「日付_書類名_取引先名」など簡単な規約で構わないので、あらかじめ検討しておくと良いでしょう。

    また、データ化する資料の優先順位を決める、必要最低限の資料だけをデータ化するなどの対応で無理なく作業を進めていきましょう。

    6. まとめ

    紙で運用していた書類をデータ化する作業には、少なからずリソースを割く必要がありますが、業務効率の向上やセキュリティー強化、ランニングコストの削減などの恩恵を考えれば、ペーパーレスの導入は企業にとって重要な取り組みだと言えます。

    ぜひペーパーレスを導入し、多様な働き方を実現しましょう!

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