次世代リーダーたちが描く企業の未来とは? ~PFU、新規事業創出に向け『未踏プロジェクト』を実施~(第⼀回)

あらゆるモノ・コトがデータ化され、社会が急速に変化する中、PFU では、次世代のリーダーたちが 未来のPFUのあるべき姿を描く『未踏プロジェクト』を実施した。
未踏プロジェクトについて第一回 概要編、第二回 参加者インタビュー編と2回にわたり紹介する。

※記事中に記載のある『未踏プロジェクト』は、現在は終了しています。

『未踏プロジェクト』とは?

2018年11月に始まった『未踏プロジェクト』は、会社の将来を担う次世代リーダーたちが、部⾨を越えて、5 年後、10 年後の PFU のビジネスを考える取り組みである。2019年2月までの約3か月にわたり行われた。

このプロジェクトは、社長 半田清の「次世代を担うリーダーたちには従来の PFU のビジネスからは考えられないような未知の領域に向けて、組織間の壁を越えて積極的に挑戦してほしい」という想いから始まった。
まだ誰も足を踏み入れたことのない領域への挑戦。プロジェクトは、「未踏」と命名された。

今回、未踏プロジェクトに選ばれたメンバーは、総数15名。
営業、開発者、システムエンジニア、コーポレートと、所属も勤務地も多種多様。同じ会社でも初めて顔を合わせるメンバー同士も少なくない。

様々なキャリアを持つ部門を越えた交流から、PFU全体を見る視座を養い、未来のビジネスをチームで考えるのが狙いだ。
未来のビジネスを考えるために富士通総研の「未来洞察プログラム」という方法論を採用した。情報や未来についての捉え方を大きく変え、業界横断の発見・発想を行い、様々な要素を組み合わせて、将来の可能性を主体的に描くというものだ。

本プロジェクトにおける「未来洞察プログラム」は、7回のワークショップを通して、PFUのありたい姿(ビジョン・ミッション・バリュー)を描き出し、プログラムの最後には社長をはじめ経営陣への提言を行う構成で開始した。

未来のシナリオを描く

プログラムは、ワークショップ形式で進められた。
第1回は、これからどの業界で新規ビジネスを行うのか戦う領域を決めること。
領域を決めたら、その業界について未来の動向を推察する。
その推察をもとに世界の動きや発⽣する課題、ニーズを含む未来のシナリオを作り、登場するプレーヤーを描き出す。プレーヤーというのは、その業界に今後台頭するであろう⼈や組織のことだ。

今回は、顧客業界に「ヘルスケア」を設定。将来、市場が⼤きく成長することが期待され、多くの人が関心を寄せる業界だ。しかし業務とは直接関係のない業界のため、調査はゼロから始めた。業界団体の機関誌、Web サイトでの調査、展⽰会へも⾜を運んだ。各⾃が⼿探りで収集した情報をもとに、積極的に議論して、未来のシナリオを作り上げた。
第2回のテーマ、⾃社業界シナリオの作成では、「画像処理、画像認識」を選択した。技術の実用化が著しく、⾼成⻑が期待される分野であり、PFU が⻑年培ってきた技術の1つでもある。多くのメンバーも業務で様々に携わった経験があり、専⾨的な視点や知識から幅広く検討を進めることができた。

戦略モデルを考える

第3回、第4回は、いよいよ戦略モデルを検討だ。
第1回に描いたシナリオをもとに未来のヘルスケア業界でプレーヤーたちがどのような課題を抱え、ニーズを欲しているのかを予測し、それらに対する解決策を探る。未来社会に⽣きるプレーヤーたちの課題を解決すること。それこそがまさに世の中に求められるビジネスだ。
ニーズと課題、その解決策を求めて、メンバーの検討は、発想と発散をひたすら繰り返し、アイデアを出し尽くし、頭が擦り切れてしまうのではと思ったという。しかし苦しみ抜き、議論を重ねることでアイデアは、だんだんと磨かれていった。
さらに、PFU が、“誰に”、“何を”、“どのように”提供するかを具体的に詰め、戦略モデルが出来上がった。

PFU のありたい姿

第5回、第6回では、製品やサービスの戦略モデルの深掘りを行い、PFU のありたい姿を検討した。
検討を重ねる中で抱いてきた「こうなりたい」という想いを⾔語化する。「ビジョン」、「ミッション」、「バリュー」という3つの観点で、「私たちPFUが、製品やサービスをお客様に提供することで、社会の中でどのような存在でありたいか」という想いを「PFU のありたい姿」として設定した。

さらに、これまで作成してきた「ありたい姿」と、現状からそこにたどり着くまでの「シナリオ」、提供する「製品・サービス」を⼀連の流れとして、描いたシナリオに説得⼒があるか、説明や根拠は充分か、などをチームで確認しあい、ブラッシュアップを進めた。

経営層への提⾔

ワークショップ最大のイベントは、社⻑をはじめとする経営層への提言だ。自分たちで創り上げた「PFU のありたい姿」について自ら想いを語り、対話を通じて自分たちが描いたその先の未来を共有する。

多くの役員を前に、当初、緊張していたメンバーも、⾃分たちが描いた未来の PFU の姿を真剣に語り出すうちに緊張は⾃然と解けていった。役員からは、アイデアをさらに進化させるような提案や、実運⽤した場合の疑問が発せられ、ディスカッションは白熱した。
対話後のメンバーからは「自分たちに足りなかった経営層の視点を知ることができた」「⾃分たちの発表から役員同⼠のディスカッションも⽣まれ、その場の全員を巻き込んで対話することができたと感じた!」と⾼揚した声が上がっていた。

⼼の中で燃えたぎる情熱の炎が会社を変える

今回の『未踏プロジェクト』では、最終的に、介護、企業内ヘルスケア、医療の 3つの分野について PFU の未来の姿を描き出した。
未来の姿を描くことで「普段の業務に対しても未来を⾒据えて取り組むようになった」「未来洞察を通じてチャレンジし続けることの重要性に気付いた」など、今回のプロジェクトがメンバーに与えた影響は大きい。
副社⻑の宮本は、「⼼の中で燃えたぎっている情熱の炎を絶やさず、他の社員の⼼にも火を付け回り、会社の雰囲気、空気をどんどん変えていってほしい」とメンバーへの期待を語った。

『未踏プロジェクト』はここで⼀旦幕を下ろしたが、PFU の未来探索はこれで終わりではない。すでに次の取り組みを始動している。

第一回は『未踏プロジェクト』の概要をご紹介したが、次回は参加メンバーへのインタビューをお届けする。活動後の変化や未来に向けた熱い想いについて語ってもらうので、ぜひお楽しみに。

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