1. コラム
2023.10.31

「伝票入力作業の効率を改善したい…。」その悩み、解決できます!

伝票入力は、注文書や納品書を確認しながら会計ソフトなどに必要な項目や金額を入力する作業で、膨大な作業量や人件費など様々な問題を抱えている社内業務の1つです。労働人口減少や働き方改革の必要性が広く認識されている中で、伝票入力作業の効率の改善は急務であるといえます。
ここでは、紙の伝票をデータ化して伝票入力作業の効率を改善する方法を紹介します。

1. 伝票入力の問題点

まずは伝票入力業務における問題点について考えていきたいと思います。

1-1. 膨大な作業量

どの企業にも共通していえることは「月末や年度末が近くなると、大量の伝票処理作業に多くの時間を割いている」ということではないでしょうか。
全ての伝票を期日までに入力しなければならず、処理を担当する部署の社員が残業時間を使って懸命にデータを打ち込んでいる光景は珍しいことではありません。

1-2. 誘発されるミス

従来の処理方法の場合、人が1枚ずつPCに手入力していくため、疲労や時間の経過とともにタイプミスや文字を正確に読み取れず誤って入力してしまうということがありました。
どれだけPC操作に慣れている社員であっても、タイプミスや見落としなどといった人的ミスは避けがたい問題でした。

1-3. 増え続ける保管スペース

処理を終えた伝票は法律によって一定時間保管することが義務付けられています。
紙媒体を保管するスペースは比較的広い場所が必要ですが、時間の経過とともに保管伝票が増えるためさらなるスペースの確保が必要になります。

1-4. 後で探すのが面倒

膨大な量の保管伝票の中から目的の1枚を探すのは、考えただけでも気が遠くなるような作業でしょう。紙媒体での保管は後の作業を考えると非常に効率が悪いといえます。

2. 伝票入力でこんなことができたら…

繁忙期の伝票入力は他の業務時間を圧迫します。伝票入力の時間をもっと効率化させるために次のような処理ができると良いと思いませんか。

2-1. 伝票の入力自動化

人間が手作業でおこなっていた伝票の入力の業務を、ボタン一つで、もしくはタイマーによって自動的に実行できると、繁忙期にも作業負荷を増やさず効率化が期待できるでしょう。

2-2. 伝票をデータとして保存

入力後の伝票のデータ保存が可能になれば紙媒体を直接参照する必要がなくなり、パソコンがあればいつでもどこでも伝票の内容を確認できるようになります。
データ保存することで共有や活用、検索が容易になり複数人で作業をするときなど効率よく作業を進めることができます。

3. OCRで伝票の入力作業を効率化できる

今まで悩まされてきた入力作業は、OCR(Optical Character Recognition)を利用することで効率化できます。

3-1. テキストデータ化

OCRは画像内にある文字をテキストデータとして認識・抽出する技術です。
手書きの伝票や印刷した紙の伝票をスキャナーで画像データにし、それをOCRでテキストデータ化することで、伝票の文字を目視で確認しながら手入力していた作業が不要になります。見落としや入力ミスなど人的なミスが減り、チェック作業も省力化できます。

OCRの詳細、データ入力業務の効率化について詳しく知りたい方は、次の記事をあわせてお読みください。

3-2. 入力作業の自動化

OCRでテキスト化したデータをCSV形式で出力したりRPA(Robotic Process Automation)と連携したりすることで会計ソフトや業務システムへの入力作業を自動化できます。
RPAについては「用語集」の「RPA」でも解説しておりますので、あわせてご参照ください。

伝票入力作業の自動化の流れをイメージした図

伝票入力の自動化イメージ

3-3. OCRを導入する前に知ってほしいこと

OCRを効果的に活用するポイントは、次の点を知った上でOCRを導入することです。

  • 100%文字認識はできなくても効果は十分に得られる
  • 業務に合った製品・サービスを選ぶ

OCRを利用すると誤認識しないと思われがちですが、現段階では100%正確に認識できるわけではありません。それでも伝票を見ながら手入力する作業に比べると、入力負荷の軽減や作業スピード・効率の向上のメリットは十分に得られます。

また、OCR製品にはいろいろな特徴を持ったものがあるので、使用する伝票にあったものを選ばなければ効果が得られにくいことがあります。選ぶポイントは、使用している伝票のフォーマットがほぼ決まっているのか決まっていないのか、認識する文字は手書きか活字かなどです。各製品の特徴と業務内容を照らし合わせて選んでください。

OCR製品の選び方やポイントは次のコラムで詳しく説明しています。

3-4. OCRを導入することでこんなメリットも!

OCRを使用するには伝票を画像データにすることから始まりますが、画像データ化することでこんなメリットもあります。
たとえば、伝票をデータで管理することでPC上での検索や参照が可能になり、必要な情報を簡単に探し出せるようになります。紙で管理していた頃のようにファイリングされた伝票の中から必要な情報を目視で探す必要がなくなります。
さらに、紙のファイリングが不要になることで保管する物理的なスペースも不要となるため、管理コストの削減やスペースの有効活用にもつながります。

紙文書をデータ化して活用する方法を詳しく知りたい方は、次のコラムをお読みください。

スキャナー選びのポイント

ここで、伝票をデータ化する際に使用するスキャナーを選ぶときのポイントをご紹介します。
  • 伝票の紙質やサイズに合わせて選ぶ
  • スキャンした画像データの補正機能を確認して選ぶ
  • スキャナーを設置するスペースを考慮して選ぶ

伝票によっては、薄い紙が使用されている場合があります。この場合、読み取り性能を確認して選ぶ必要があります。
また、スキャナーによっては、読み取った伝票の向きを自動で補正したり、白紙ページを削除したり、OCR精度を向上させる画像処理機能を備えています。
これらとスキャナーを設置するスペースを考慮して選ぶことが大切です。

スキャナーの種類、やりたいことに適したスキャナーの選び方について知りたい方は、「スキャナーとは?種類や選び方を簡単解説【スキャナー基礎知識】」をお読みください。

4. まとめ

OCRの導入は、伝票処理のスピードと正確性を確保しつつ、従来の方法では避けがたかったイージーミスを減らす手段として大きな費用対効果が期待できます。また、社員の単純作業を減らすことでモチベーション向上にもつながります。
ここまででご紹介したことをご参考に、伝票の入力作業の効率化をご検討いただけると幸いです。

なお、PFUではAI-OCRソフトウェア「DynaEye」と業務用イメージスキャナー「fiシリーズ」をご提供しています。DynaEyeの無償評価版とfiシリーズスキャナーのデモ機無料貸し出しサービスを行っておりますので、伝票入力の効率化をお考えの方は、以下からぜひお試しください。

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