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ScanSnap SV600が水彩画のデジタル化に貢献 ~ 英国・水彩画デジタルアーカイブ構築事業 ~

弊社が販売するパーソナルドキュメントスキャナー「ScanSnap SV600」が、英国非営利団体による歴史的水彩画デジタルアーカイブ構築事業(The Watercolour World、以下TWW)への貢献で、高い評価を受けました。この事業は、19世紀以前の世界の水彩画をデジタル保存し、人類の共有財産として残すことを目的としており、弊社はスキャナーの提供を通じて協力しました。


The Watercolour World関連サイト



水彩画のデジタル化に至るまでの背景とこの事業の取り組みについてご紹介します。



カメラがなかった時代、記録として残した水彩画の保管が困難に

欧州では1900年以前の、カメラがまだ世に出回っていない時代、風景や人の生活の様子を水彩画として写実し残していたようです。何故油絵ではなく水彩画だったのかというと、芸術性を求めていたわけではなく、コストの問題もあったようです。

特に軍事目的で写生専門の軍人が土地の風景がわかるよう残したものが多く、今では、当時の地形・人々の暮らしぶりを知る上で、歴史家や研究者の貴重な資料となっています。ところが、あちこちの図書館・美術館・個人収集家等に分散しているのが実態で、紛失盗難の可能性があるだけでなく、保管状態もまちまちで、時間の経過と共に傷みが激しくなり、いずれ復元が難しくなることが危惧されています。



水彩画のデジタル化には多大な時間とコストを要する


(出典:TWW)
そこで立ち上がったのが、TWWという登録非営利団体で、ロンドンをベースとしたMarandiチャリティ基金よりサポートを受けています。彼らの目的は、そういった水彩画の保存状態が良好なうちにデジタル化し、誰でも無料でかつ簡単に見られるようにすることです。

しかし、開始当初は随分と苦労したようで、光度の調整による画像品質の確保や、カメラ撮影の手配、額縁からの安全な取り外し等のアレンジにより、1つの水彩画を撮り終えるのに多大な時間とコストを要しました。




ScanSnap SV600を活用し、大幅な作業の効率化を実現

何かもっと効率的な方法はないか悩んでいたところ、2017年に、水彩画には触れずに読み取り可能な非接触型のPFUスキャナー ScanSnap SV600に目が止まりました。彼らは、弊社ロンドンのTechnical部門にコンタクトし、操作性・光度・色味等様々な質問をぶつけてきました。説明に少々時間はかかりましたが、操作はワンプッシュと簡単な事、十分な光度をCCDカメラが供給しかつ画材には安全なレベルである事、自然な色味で室内の環境下ではほぼ統一した色味を出せる事を説明し、TWWの担当者様に納得いただきました。

弊社は、TWWの趣旨に賛同し、SV600 6台を無償で提供することにしました。
早速、TWW側で試したところ、大幅な作業の効率化を実現することが出来たようです。特に、個人収集家の自宅にSV600を直接持ち込んで簡単に済ませられた点や、額縁から外さずガラスを通したままスキャン出来る点が大いに評価されました。その後も、我々と会話を継続し作業に改善を加えて、デジタル化を加速していきました。



(出典:TWW)


閲覧サイト公開を祝したオープニングセレモニーに出席

TWWは80,000点もの作品のデジタル化を終え、ヨーロッパを中心とした18,000ヶ所のロケーション情報も含めた検索可能Indexを付け、1月31日に閲覧Websiteを正式公開しました。サイトの中で、弊社はTechnical Partner, Digitisationとして位置付けられています。
その公開を祝して、同日ロンドン中心部にあるRoyal Academy of Arts(王立芸術院)にて、オープニングセレモニーが行われ、弊社もお招きをいただきました。

TWWは英国としても非常に意義のある活動であることから、王室よりチャールズ皇太子とコーンウォール公爵夫人(Camilla, Duchess of Cornwall、以降、カミラ夫人)が支援者として名乗りをあげており、当日はカミラ夫人が出席され、直接感謝の御言葉を頂戴しました。
今後、TWWは、米国や日本でもWeb公開の発表を行う予定とのことです。


弊社は、長年ドキュメントイメージングで培ってきた技術による社会貢献への参画を継続し、今後も世界の文化遺産のデジタルアーカイブ事業に精力的に協力してまいります。



ScanSnap SV600について

ScanSnap SV600は、簡単な操作でスピーディーに高い品質の画像を作るA3サイズ非接触型のパーソナルドキュメントスキャナーです。
歴史的水彩画のデジタル化では、「額縁のガラスを付けたまま水彩画をスキャンすることができるため、絵を額縁から外す際の損傷のリスクを回避できる」、「高解像な状態で絵を取り込むために十分な光量である一方、画材に対しては安全安心な範囲内であり、デリケートな絵に悪影響を与えることはない」、「SV600は持ち運びも可能で、デジタル化を行うチームが美術館や個人保有者の家に出向くことで、その場で絵を取り込むことも可能になった」という評価をいただきました。


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